当院ではスーパーライザーを用いた治療を行っています。
腫瘍、椎間板ヘルニア、腰のふらつき、ひざの痛み、口内炎、外耳炎、創傷の治癒などに使用します。
■腫瘍に対する治療
近年ペットたちの寿命の延長によって、腫瘍疾患が増えてきました。
これまで腫瘍に対する治療は①外科的切除②化学療法(抗がん剤)③放射線療法の三大治療法が中心でした。ところが、高齢で治療ができない、心臓が悪く麻酔がかけられない、金銭的な問題で治療ができないなど、治療をしたくてもできないケースも増えてきました。
第4の新しい治療方法である光線温熱療法は、通院で行い、全身麻酔をかけることなく治療が可能で、副作用も非常に少ないことが知られています。適応症例としては、体の表面にある腫瘍、口腔内の腫瘍、脾臓などです。
写真は犬の体の表面にできた肥満細胞腫の写真です。
光線温熱療法の治療を始めて7週間で腫瘍の縮小が認められました。
治療では麻酔をかけることなく、通院で治療を行いました。
写真提供:東京農工大学腫瘍科小林正行先生
■椎間板ヘルニアに対する治療
スーパーライザーは人の理学療法で使われる近赤外線発生装置ですので、光と熱で筋肉をほぐし、血流を良くすることで、椎間板ヘルニアの改善が見込めます。動物でも近年、鍼灸が行われていますが、鍼灸と同等の効果があると言われています。
内科的もしくは外科的な処置で十分な歩行の改善が得られない方、ご相談ください。
■関節の痛みに対する治療
ワンちゃん、ねこちゃんは、高齢になるにつれ、股関節・膝関節などの関節に痛みが生じるケースがあります。
そのため、鎮痛剤を常用している方も多いかと思います。スーパーライザーを使うことで、痛みが減少し、鎮痛剤の減薬が期待できます。
■口内炎・歯肉炎に対する治療
高齢の猫ちゃんでは、口内炎のため、ステロイドを常用するケースが多いですが、また副作用の心配もあります。口の外側からスーパーライザーを照射することで、痛みの軽減につながるため、ステロイドの減薬が期待できます。施術には麻酔をかけることなく、また痛みを感じることはありません。
■外耳炎に対する治療
慢性的な外耳炎の場合、耳道が腫れて狭くなることで、治療がうまくいかないケースも多いです。スーパーライザーを耳道に照射することで、慢性的な腫れの改善が見込めます。
■創傷(傷口)に対する治療
手術後の癒合不全や傷口など、なかなか治らない傷口に対して照射することで、傷の改善が早くなると言われています。